慢性子宮内膜炎…その13 – 医療法人オーク会 不妊ブログ

May 2, 2024, 6:37 am

前回子宮内の細菌叢が改善すると 妊娠の成績が改善するという論文を ご紹介いたしました。 子宮内フローラが改善すると妊娠率が上がる ~日本での報告~ 細菌叢が乱れるとそもそもなぜ悪いのか それは慢性子宮内膜炎を引き起こし 着床不全の原因となるからです。 そして治療は検査をしっかりして いたずらに大量の抗生剤を 長期投与するのでは無く 適切な抗生剤を 最小限に投与することが大事です。 こちらの記事を参照下さい。 慢性子宮内膜炎、子宮内フローラの当院の治療 ~抗生剤はピンポイントで~ 慢性子宮内膜炎の診断方法には ・子宮鏡による肉眼的な判断 ・子宮内膜生検してCD138による形質細胞の浸潤による診断 ・子宮内細菌叢(フローラ)での診断 になりますが 実際にこの3種類の診断の結果が きれいに一致することは少ないです。 費用や簡便さでは子宮鏡が一番いいです。 当院では患者様にモニターを見せながら行いますので その場で診断することができます。 痛みもほぼないです。 それに対して子宮内膜の生検は内膜をちぎるので 痛みはあります。 ただ、子宮鏡で内膜がきれいに見えても 慢性子宮内膜炎であったとする報告もありますし 私も何度も経験しております。 前回ご紹介しました論文では 反復着床不全93人に 子宮鏡をした後に子宮内フローラ検査をしていますが 子宮鏡正常(79人)に フローラ異常を 26. 6% (21人)認めており 逆に子宮鏡で慢性子宮内膜炎が疑われた方(14人)で フローラ異常は 35. 7% (5人)しかおりませんでした。 子宮鏡のみで慢性子宮内膜炎および 子宮内フローラの判断をするのは難しく 特になかなか胚移植をしても妊娠しない方は 子宮鏡の所見が問題なくても 子宮内フローラ検査をすることを 推奨しております。 子宮鏡は下記のブログでもお伝えしましたが 子宮内腔の癒着、ポリープ、子宮奇形などの 異常を見つけるためには 非常に有用な検査です。 着床不全の方は子宮鏡をしましょう 反復着床不全の患者様には 子宮鏡+子宮内フローラを お勧めします。 院長 菊池 卓 —–

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医局カンファレンスです。 習慣流産は3回以上流産を繰り返し出産に至らない状態です。 以前にわれわれは習慣流産患者全体の9%、原因不明習慣流産に限れば12%に、慢性子宮内膜炎が見つかることを報告しました (Kitaya K, et al., Fertil Steril. 2011;95:1156-1158)。 今回、この追試結果が報告されました(McQueen DB et al., Fertil Steril.

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投稿日:2020年11月26日 医師部門 ERA検査の結果は間違った解釈をすると、永遠と間違った胚移植時間に胚移植することになり、再現性を含めて慎重に行うことが必要だと私自身も考えています。 ただ、本検査を行っているIgenomixによると大きな体重変化等がない限り3年間は再現性がある結果だと公表されておりますので、再現性が起きづらい可能性を秘めた論文が出てこないかなと思っていたところです。慢性子宮内膜炎とERA結果を示した論文をご紹介いたします。 Keiji Kurodaら. Immun Inflamm Dis. 2020. DOI: 10. 1002/iid3. 354 ≪論文紹介≫ 単施設でおこなわれた後方視的研究です。2018年6月から2020年2月まで子宮内膜サンプリングを受けた101名の不妊女性のうち、ERA検査と慢性子宮内膜炎精査のためのCD138免疫組織染色を実施した88人を対象としました。募被験者は以下の3群に分けました。 ①事前にCD138免疫組織染色を実施し慢性子宮内膜炎なしの33例(非慢性子宮内膜炎群) ②ERA検査時に未治療の慢性子宮内膜炎があった19例(慢性子宮内膜炎群) ③事前にCD138免疫組織染色を実施し慢性子宮内膜炎を認め治療後にERA検査実施した36例(慢性子宮内膜炎治癒群) 慢性子宮内膜炎の診断は、ランダムに10部位を選択し、400倍の倍率で視野あたり5個以上のCD138陽性形質細胞が存在することと定義しました。 結果: ①非慢性子宮内膜炎群、②慢性子宮内膜炎群、③慢性子宮内膜炎治癒群では、CD138陽性細胞数はそれぞれ0. 7±1. 0、28. 5±30. 4、1. 3±1. 3でした(p<0. 001)。ERA検査にて「Receptive」の割合は①非慢性子宮内膜炎群では57. 6%(19名)、③慢性子宮内膜炎治癒群では50. 菊池レディースクリニック静岡のブログ:静岡の生殖医療専門医. 0%(18名)でしたが、②慢性子宮内膜炎群では15. 8%(3名)にとどまり、他の2つの群に比べて有意に低い結果となりました(p=0. 009)。 ①非慢性子宮内膜炎群、②慢性子宮内膜炎群、③慢性子宮内膜炎治癒群でERA検査後の初回の個別化胚移植の臨床妊娠率は、それぞれ77. 8%(21/27)、22. 2%(4/18)、51. 7%(15/29)でした(p<0.

Vol 56:慢性子宮内膜炎について | 妊活ブログ

24倍、臨床妊娠率が6. 81倍、出生率/妊娠率が4. 02倍にまで改善すると報告されました5)。 また、ALICE検査で、病原菌が同定された場合も、その菌に感受性がある抗菌剤を投与します。さらに、EMMA検査で乳酸桿菌の割合が90%以下であった場合には、乳酸桿菌を増加させるサプリメントを使用して頂きます。(当院のデータではサプリメント使用後には、80%の方が正常の状態に戻っています。)(詳細は2019年6月10日付yudai/、2019年6月17日付yudai/ のブログをご参照下さい。) 以上から、着床失敗を繰り返す方にとって慢性子宮内膜炎を診断、治療、再評価を行うことは、着床から出産までの経過を改善する可能性があり、非常に有用な検査と言えます。こうした検査を組み合わせながら治療を勧めることで妊娠率の向上が期待されるます。 1) Moreno I, et al. Evidence that the endometrial microbiota has an effect on implantation success or failure, American Journal of Obstetrics & Gynecology 2016 2) Cicinelli E, et al. #子宮内膜炎 人気記事(一般)|アメーバブログ(アメブロ). Endometrial micropolyps at fluid hysteroscopy suggest the existence of chronic endometritis. Hum Reprod 2005 3) Bouet PE, et al. Chronic endometritis in women with recurrent pregnancy loss and recurrent implantation failure: prevalence and role of office hysteroscopy and immunohistochemistry in diagnosis. Fertil Steril 2015 4) McQueen DB, et al. Chronic endometritis in women with recurrent early pregnancy loss and/or fetal demise. Fertil Steril 2014 5) Vitagliano A, et al.
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